高橋裕名誉会員の日本国際賞受賞•記念講演会•祝賀会の報告

摘要

高橋裕名誉会員(東京大学名誉教授)の日本国際賞受賞を記念して、土木学会主催の講演会•祝賀会が5月18日に日本教育会館で開催された。この賞は国際的に権威の高い賞であり、これまでの31回の中で社会基盤分野では初めての受賞である。磯部雅彦会長と池内幸司国土交通省水管理•国土保全局長のご祝辞、小池俊雄東京大学教授による高橋先生のご業績の紹介、池田駿介東京工業大学名誉教授による日本国際賞の説明の後、受賞業績に関連して「第2次大戦後の日本の水害と社会」と題して先生のご講演が行われた。カスリーン台風を原点として今日に至るまでの精力的な水災害調査とそれらにまつわる数々のエピソードなど、179名の聴衆は先生の静かで心に響く語り口に開き入り、調査研究に対する一貫したご姿勢に改めて深く感銘した次第である。社会現象としての水災害に向かう技術者としての心構え、災害調査のあるべき姿、流域管理の基本思想など、先生のご提唱のいずれもが国土•社会の100年の計を講ずるための普遍的な考えとして今後の技術に生き続け、持続可能社会の礎となることは間違いない。講演終了後、お祝の花束が石川幹子中央大学教授(東京大学名誉教授)から先生に贈呈された。