Ⅰ エネルギー需給の現状

摘要

2017年の世界経済は，2016年後半から継続する米国，中国経済の回復が他国に波及し，世界的に投資活動の拡大が続いたこと，および国際貿易が復調していることが背景にあり，前年後半から見られた回復の動きが強まっている。IMF, "World Economic Outlook" (2018年4月)によると，2017年における世界全体の実質GDPは対前年比+3.8%となり，これは2011年以来の高成長である。先進国における投資の再拡大や，途上国および一部のコモディティ価格回復を背景に，コモディティに対する投資減退に歯止めが掛かったことが，GDP拡大の主な要因である。このうち，先進国の経済成長率は，米国•中国経済の堅調な拡大が波及する形で，同+2.3%(米国；同+2.3%，ユーロ圏；同+2.3%，日本；同+1.7%)となった。また，新興国全体での経済成長率は同+4.8%であった。なお，中国は同+6.9%，インドは同+6.7%となった。公共投資の拡大，金融緩和などの政策支援が講じられたこと，内外需要の回復がその背景にある。