ヒートアイランド現象の可視化　第1回　人工衛星及び航空機の熱赤外画像により作成したヒートアイランドマップ

摘要

ヒートアイランド現象は，以下に述べるように都市とその周囲との関係で議論され，季節によっても，また昼と夜によってもその様相は異なる.この連載では，いろいろな視点からヒートアイランド現象を可視化してみたい.日本では2000年頃から，マスコミでヒートアイランド現象が取り上げられ，もはやヒートアイランド現象は学術的なテーマだけでなく，ヒートアイランド現象を抑制しなければならないという社会的問題にもなつている.上述のように日本ではヒートアイランド現象は大都市の問題としてマスコミが取り上げたが，ヒートアイランド現象は私たちが生活している足元にその形成要因がある.すなわち，私たちの日常生活における熱的快適性とも深く関わっている.このようなことから，ヒートアイランド現象を都市スケールのマクロな視点と，私たちの身近なところの両方からとらえることとしたい.3回の連載でヒートアイランド現象の可視化を試みる.第1回では，マクロな視点からいろいろな大きさの都市，まち，そして建築に熱があふれていることを，人工衛星や航空機リモートセンシングによる昼と夜の熟赤外画像の合成画像（ヒートアイランドマップ）を作成することによつて可視化する.