視野制限下で線画の顔画像を記憶する過程における瞬目の分析

摘要

近年，Webページによる情報発信や情報収集など，コンピュータディスプレイを介する視覚作業が急増している．このような作業場面における次世代のインタフェースとして，ユーザの意図や関心の状態（認知過程）を客観的に推定し，その状態に応じて適切な情報や助言を提供するような機能の実現が求められている．認知過程推定用の行動指標としては視線が有用であるが，筆者は視線情報を補完する指標として瞬目（まばたき）に着目している．従来，瞬目は眼球の保護や湿潤のための生理的な機能から説明されてきたが，実は人の心身状態と関係の深い生体反応である．