自動車の安全性能評価: 自動車の衝突実験取材

摘要

交通事故の死傷者数は近年減少傾向にあるが,依然として死者数は年間4000人を超えており,負傷者数は80万人近くにも上っているのが現状である。そのため,近年向上している自動車技術の中でも,乗員の安全を確保する安全技術が特に重要である。安全技術の中にはァクティブセーフティ(予防安全)とパッシブセーフティ(衝突安全)がある。アクティブセーフティは事故を未然に防ぐものであり,ブレーキ時のタイヤのロックを防ぐABS(Antilock Brake System)や,最近普及し始めてきている自動ブレーキシステムなどがこれに当てはまる。一方,パッシブセーフティは事故が発生した際の被害を最小限に食い止めるものであり,エアバックや衝撃吸収機能を備えた衝突安全ボディなどが挙げられる。今回はこのパッシブセーフティを主に取り上げて,自動車の安全性能について解説していく。