ラグビー高校日本代表チームで使用された疾走に関する集団語の成立過程の考察

摘要

スポーツのコーチング（coaching）において，技を伝承する立場の指導者は，より高度な技の獲得を目指す選手に対し，技に関するジェスチャーを時折交えながら，言語的指導（言葉かけ）によってコミュニケーションを図る．この言語的指導が，簡単に選手へ伝われば良いが，言葉に表現し難い技の暗黙知的性質に加え，特にチームスポーツの場合，限られた時間内に多数の選手に対して，同様の言葉を投げかけなければならず，伝わり難い場合が往々にしてある．そのため，指導者は，技を伝承するための機能的・効率的な言語的指導が求められることとなる．