文献紹介

摘要

本研究で得られるエラストマーは恒久結合である共有結合と分解と再結合が可能な水素結合で2重に架橋している。エラストマーにダメージが与えられると水素結合が犠牲となり共有結合を守る。共有結合はすべての結合を基本的に強化し，回復可能な強度は水素結合の密度により決まる。したがって，共有結合が多いと破壊強度は強いがヒーリングによる回復は弱い。直鎖状の両端にカルボニル基をもったジメチルシロキサンと1-(2-アミノエチル)-2-イミダゾリジオンを反応して水素結合ができる化合物を作ると同時に，ジエチレントリアミンとも反応して主鎖に2級アミノ基を導入し，この2級アミノ基をジイソシアネート架橋剤で常温架橋する。共有結合量はジエチルトリアミンの一部を2級アミンが発生しないジアミンに変えて調整する。