第29回技術開発賞

摘要

本業績が扱っている音響イベント分類·検出は，近年学術的にも注目度が高く，多くの研究者が開発技術の性能を競っている。本業績で用いている技術は信号処理分野でレベルの高い国際会議であるICASSPでも採択されるなど，技術のレベルの高さがうかがえる。更に，構築したデータセットを一般に公開するなど，学術分野への貢献も大きい。異常音検知技術を実用化しソリューションとして開発し，従来技術では適用が困難であった製造現場や野外，高所へも適用可能とした点，実運用を可能なソフトウェア及びハードウヱァを開発し，実用化システムとしてまとめて事業化した点が高く評価できる。熟練者の技能を機械で置き換えていく技術は，少子化，高齢化が進む日本などで極めて有用な技術であり，本業績も今後の発展，将来性が期待される。従って，本業績は技術開発賞に値する。