Q&Aコーナー

摘要

Q.放送音声の品質管理に,する規格には，どのような規格がありますか？A.放送における音声の品質基準には，国際規格である勧告ITU-R BS.1548に，CDと同程度の品質である「高品質」と，高品質よりは品質が落ちるがラジオ放送であるFMやAMよりは品質が高い「中品質」の2種類が規定されています。ディジタル放送では情報源圧縮符号化が使われますが，各音声符号化方式における運用ビッ卜レー卜ごとの品質を主観評価により確認します。高品質で放送する場台，音質の微小な差を評価するときに用いる勧告ITU-R BS.1116に規定される隠れ基準付き三刺激二重盲検法で主観評価を実施したときに，符号化音が原音と比較して5段階の劣化尺度で4(差が分かるけど気にならない)以上の品質を満たす必要があります。勧告ITU-R BS.1116に規定されている評価項目には，総合印象，音色，音像定位，包まれ感(空圊印象)がありますが，音声符号化方式の品質評価には総合印象が多く用いられます。また，高品質放送用の素材伝送に使う場合は，8回符号化，復号を繰り返して，評点が4.5以上となる品質を確保する必要があります。更に，中品質で放送する場合，中程度の音声品質を評価するときに用いる勧告ITU-R BS.1534に規定されるMUSHRA(隠れ基準とアンカ刺激を伴う多重刺激評価法)で主観評価を実施し，5段階区分の上位2区分である「非常に良い」か「良い」である必要があります。