シリーズ・シンポジウム「日本国憲法の21世紀的意義を探る一その3.自由権と社会権」

摘要

JSA憲法問題特別研究委員会企画の上記シン ポジウムが，2008年9月27日（土），明治大学 で開かれ，人権問題の当面する状況と問題につい て，以下の2報告が行われた． 最初に右崎正博・獨協大学数授から「自由権の 現在-メディア法制の変容と立憲主義」と題して， 資本主義の高度化にともなう強大メディアの出現 によって，言論の自由を確保するために国家の積 極的な介入・関与，「自由」を実質化するために 国家の調整的介入ないしアファーマテイブな関与 が必要とされるに至って，今や国家の不介入を本 質とする近代憲法の自由権理解だけでは不十分と なり，伝統的に消極的自由とされてきた思想・表 現の自由の観念に再考が迫られている，との問題 提起がなされた.