(声明）国立大学の運営費交付金の評価に基づく傾斜配分の即時撤回を！: 内閣府•財務省による「大学改革」という名の大学破壊を許さない

摘要

財務省（財政制度等審議会）は毎年のように懲りることなく国立大学への運営費交付金の減額や競争的配分を迫り，研究費の自己収入の増加の強要を押し付けてきた.そして「平成31年度予算の編成等に関する建議」（2018年11月17日）の中では「評価に基づいて配分する額を運営費交付金のまずは10%程度，1,000 億円程度にまで拡大する」との提案を行い，政府は12 月21日にそれを政府予算案として閣議決定した.われわれは大学のなhたるかを欠落させて，研究や教育を生産性ではかろうとする大学破壊の暴挙に抗議し，国会審議の中でこの予算案の即時撤回を要求する.かって，文科省は財政制度審議会に見解を提示したことがあつな（2016年).そこでは財政制度審議会(以下財政審と略)のデータの扱い方の不備や意図的なデータの利用などについても見解が示された.「義務的支出増の‘増額要因’約800億円は考慮されていず，運営費交付金は，実質1,000億円以上の減額」となっているとも述べていた.また，「財政審の資料は，前年度の繰越額が含まれる‘決算報告書’の数値を使用したもの. 実際に国が措置した‘予算額’に置き直すと，補助金等を加えても，約500億円の減少」「運営費交付金の減少によって，常勤教職員の人件費を圧迫しており，教職員の雇用の不安定化が懸念」される，「外部資金で研究費を措置しても，教育研究を支える基幹的な教員の体制確保は運営費交付金でなければできない」等々 と財政審に物申していた.