国公立試験研究機関問題委員会（国公研委員会）の活動

摘要

国公研委員会は問題別委員会の一つで，国や自治体が設置する研究機関の問題を扱います.国立研究機関の多くは，2001年にいわゆる「橋本行革」の一環として独立行政法人化されました.独立行政法人という制度自体が，予算の削減（とその結果としての人員削減）を内包しているため，政府が寄せる期待とは裏腹に，研究を遂行する力が衰え組織の疲弊が進行しています.そのうえ，5年から7年間の「中長期目標」に基づく組織運営が行われ，加えて組織によっては「官邸人事」により理事長が送り込まれ，近視眼的な政権の成長戦略への貢献が要求されているため，長期的な視点に立った基礎的·基盤的な研究が困難になりました.公設の研究機関もかなりの数が「地方独立行政法人」化されました.そこでは，多様な法人化のあり方とそれに伴うその組織に固有な問題が生じています.