ル･コルビュジェにおける身体ル･コルビュジェの建篵制作に関する研究　その14

摘要

ル・コルビュジェの建築制作は、二つの活動、絵画と建築を通じrnて成就される。絵画のテーマと建築作品を年代順に簡単にここに追rnってみると、1920年代後期のサヴオワ邸は「静物画」の構成と、rn1930年代初期のスイス館（パリ大学都市）は「詩的反応を起こすrnオブジェ」と、1940年代後期のマルセイユの住居単位は、身体やrn手の表現と、1950年代のノートル＝ダム＝デュ＝オー礼拝堂は、「オrnゾン」の彫刻と両輪をなしている。rn絵画や彫刻そして建築にまたがるル・コルビュジェの制作は、あrnる力学の表現を貫く。ル・コルビュジェの建築を寸法として完成すrnるル・モデュロールの身体はこの力学の意味を明確に現わす。ルネrnサンスの遠近法の空間にたいして、ル・モデュロールの身体は空間rnの近傍化という新たな空間概念を現わしている。1910年代後期rnのビューリスム初期の静物構成に見られる力学の意味は、1930年rn代に身体化されて、さらにル・モデュロールの身体像を完成し、ノrnートル＝ダム＝デュ＝オー礼拝堂にみる「言語に絶する空間」を生む。rnそれはル・コルビュジェの究極的身体世界と考えられる。ル・コrnルビュジェの建築制作においてもっとも重要な意味をもつこの力学rnの起源とその意義についてここに考えてみたい。