国立大学の改修プロジェクトにおける省エネ化推進に関する研究

摘要

Today, most of national universities have introduced thermal insulation, double-glazing and high efficiency equipment in the renovation projects. It needs to specify issues to enhance energy saving, Following survey and analysis are conducted; 1. Current energy saving strategies are summarized based on the organization of facility planning in the national universities. 2. A questionnaire survey was conducted to the facility planning departments and actual condition were clarified or shown? 3. The hearing regarding energy saving measures to the universities that promoting energy saving measures, specified devised points and problems, and clarified obstructive factors and requirement of energy saving promotion.%本研究では，国立大学法人の改修プロジェクトにおける省エネ対策について，その実態と今後の省エネを進めるための課題が，下記のとおり明らかになった。(1)国立大学法人の施設整備の仕組みにおいて，省エネに係る技術的基準類が不明確であることが分かった。(2)国立大学における改修プロジェクトでは，省エネの目標設定とモニタリング，設計プロセス初期段階での検討，設計への運営管理者の参加，省エネ手法の検討などが十分でないことが分かった。(3)国立大学法人の施設部署は，法人化後，施設計画•整備•管理を一元的に担当する体制が求められているが，維持保全担当部署を設置している大学が4割,省エネに係るモニタリングの詳細検討をしている大学が3割弱であった。管理業務について，多くの大学で十分に実施されていないことが分かった。(4)省エネ対策を積極的に推進している大学への聞取りの整理から，省エネ改修プロジェクトの推進のための，検討項目，阻害要因，推進要件をあきらかにできた。更に，国立大学法人の改修プロジェクトにおいて省エネ対策を確実に推進するには，学内設計指針が必要なことが分かった。今後は，省エネを推進する設計プロセスをマネジメントしてゆくために，学内設計指針の具体的な内容と，これの的確な運用を担保する仕組みの検討をすすめてゆく。