「ARCHITEKTURA CSSR/CSR」の記事にみる社会主義時代の住宅開発地計画の分析プラハ市の住宅開発地イジュニームニェストを中心に

摘要

In this paper, by using a national magazine"Architektura CSSR/CSR"published in socialist era, the concept and evaluation of South Town(Jizni Mesto, JM), which is one of the largest housing estates developed in socialist era in Prague city, were examined. The development plan of JM started from the plan by J. Krasny which won the competition in the late of 1960s. However, the concept of the development plan had often been forced to change because of economic reason and so on. On the other hand, the relationship between the development area and natural environment around the estate, transportation system such as bus, metro and highway, the landmark design in housing area in JM Ⅱ, which were considered in the development plan, were realized and exist until now. Early plans of housing estates in socialist era might help to find their characters, even prefab panel housings were normally standardized.%チェコ共和国では、社会主義時代、国内各地でパネル工法によるプレハブ住宅(以下パネル住宅と呼ぶ)が建ち並ぶ住宅開発地が多数形成された。類似したパネル住宅棟が並ぶ社会主義時代の住宅開発地に対しては、これまで画一的である、無個性であるといったイメージが語られてきたが、住宅開発地のパネル住宅以外の要素については、十分に注目されてきたとは言い難く、現在でも数多く存在する社会主義時代の住宅開発地の、パネル住宅以外の地域計画に対して開発当時向けられていた関心については十分に明らかにされていない。しかし、住宅の多様性が限られる状況であるからこそ、地域計画には住宅以外の構成要素を用いた創意工夫が見られる可能性がある。今回、社会主義時代の住宅開発地計画に関する資料がアーカイブに保管されていることが明らかになった。そこで本研究は、社会主義時代に出版された建築雑誌の記事の分析によって、開発当時の住宅開発地に対する専門家による議論を明らかにするとともに、それにもとづく開発計画と実際に建設された住宅開発地の現状を照らし合わせることで、現状の評価に結びつく開発当初の意図を明らかにすることを目的とする。