野木町(栃木県下都賀郡)の野木神社社殿再建と三村家の役割および生産体制について

摘要

野木神社社殿の再建は、前身の社殿が文化3年(1806)2月に焼失したことにより願い出され、文化5年から行われた。三村家は、社殿の焼失後の仮殿の造営に関わり、再建にむけて新たな社殿の設計を行い、本殿の部材の加工や彫物の製作を進めていた。しかし、再建は資金難により中断し、中断した時には「六歩通位出来」であり、彫物と組物などの部材の過半が出来ている状況であったという。金主が決まると造営は再開し、文政2年(1819)8月に本殿と拝殿が上棟、文政4年10月には本殿、拝殿、玉垣が再建され、新殿に遷座が行われた。