宣西北地区(北京外城）の棚戸区の居住環境整備に関する考察

摘要

本論文で明らかにした主要な点は以下のようである。の北京外城には、天壇など国家的歴史建造物のほか、地方から上京した人々が出身地ごとに集まる同鄉会館、清代順治帝の「满漢分城居住」政策の実施（1648年）以降、内城から移住してきた士族、知識人が居住した「宣南士鄉」など、歴史的文化遗産（文物保護単位）が数多く残っており、「歴史文化保護区」が5箇所、「歴史風貌協調区」が3箇所指定されている。一方、四合院の大雑院化が進行し、棚戸房の密集する棚戸区が形成され、外城には27箇所もの「棚戸区」が指定されている。宣西北地区は、「歴史風貌協調区」にも「棚戸区」にも指定される地区であり、早急に居住環境整備が必要とされる地区である。