社会福祉協議会による中山間地域における高齢者福祉施設の整備運営の取組み: 山口県を対象として

摘要

高齢化の進行による福祉需要増加により、1980年以降社会福祉制度改革が進められてきた。2000年には介護保険制度が導入され、訪問介護や通所介護施設、グループホーム等の新規供給が進められた。施設運営主体は社会福祉法人を始めとし、介護保険制度導入後は民間法人や社会福祉協議会（以下、社協と略称）、医療法人、NP0法人等の参入も増加傾向にある。特に営利法人による通所介護施設ゃグループホーム等が急増しており、こうした新規供給量の急増、施設及び運営主体の多様化は高齢者福祉サービス水準の向上と利用者による施設選択の可能性の拡大に寄与してきた。但し、民間法人の場合は経営採算が重視されるため、需要が見込まれる都市部を中心に施設運営に参入する傾向にあり、中山間地域への参入は少ない。