原発被災地域におけるゾーニングに関する研究福島第一原発被災地域の緊急避難•応急避難•長期化避難の三つの期間を対象として

摘要

都市計画は、目標とする都市空間像を設定し、規制的な手法と事業的な手法によって実現する技術体系である。規制的な手法として具体的には土地利用制度がある。縮退の時代を背景として、人口回復や活性化などを計画の目的とする場合に、土地利用制度によってそれらは実現され得るのだろうか。土地の利用という言葉が想像させる範疇を超えて、維持管理、避難•強制退去、さらには土地に関連する権利や責任のあり方までを再考する必要がある。その点を明確にするために、本稿では、土地利用制度ではなく、ゾーニングという言葉を用いることとする。ここでゾーニングとは、行政の権限と責任によって、領域を指定し、領域内部での行為を抑制•誘導する制度の総称である。