高反射率塗料の屋外曝露による性能変化に関する研究

摘要

本報告は，現在HI対策として注目されている高反射率塗料の劣化 に関する貴重な資料を提供している。高反射率塗料は，施工後のメン テナンス費用の面で屋上緑化よりも有利であるとされている。しか し，試験を行った全ての製品において反射率が暴露1年で初期性能の 75～50％に低下しており，初期性能を用いて長期の顕熱削減（公的 効果）を見積るのは大きな過大評価となることが示されている。一方， 建物の冷房負荷削減（私的効果）には劣化の影響がはとんど現れてい ないが，これは建物の断熱性髄をかなり高く想定したためであり，屋 上緑化も含め，いわゆるクールルーフ施策の空調負荷への影響は建物 の性能に大きく左右される。その意味では「断熱無し」の結果が示さ れていないのが残念である。断熱性能が向上し私的効果が小さくなれ ば，施主に対するインセンティプは小きく低炭素への貢献も限定的と なる。費用対効果を示しつつどう普及を図るかが課題である。%Recently, high-albedo materials and products have been developed to lower the surface temperatures of urban building roofs and roads. In this paper, outdoor exposure experiments and a numerical simulation are conducted to identify the effectiveness of reflective paint. The optical and thermal properties of 137 kinds of reflective paint are measured according to JIS (Japan Industrial Standard) method. In addition, sensible heat emission and heat load are calculated considering a change in the paint performance deteriorated by outdoor exposure.