強震動予測手法に関するベンチマークテスト：数値解析手法の場合（その1）

摘要

長周期域における強震動予測用の数値解析プログラムについての複数の機関がベンチマークテストを実施したもので，強震動予測の信頼性を担保するうえで大変貴重な報告である。かつてより，上部構造の地震応答解析プログラムや，構造物と地盤との動的相互作用プログラムについても，同種のベンチマークテストが実施されてきており，強震動予測についてもこのような試みがなされたことは，強震動予測が実用の段階に近づいてきていることを裏付けるものである。本論文は，解析条件を可能な限り一致きせた上でのベンチマークテストを行ったもので，プログラムそのものの検証を行う立場での検討となっているが，実際の強震動予測では，震源のモデル化や伝播経路，地下構造のモデル化による結果の変動が大きいと考えられるので，今後，ざらにこれらの検討を加え，強震動予測結果の幅についての資料が提供されることを期待する。%We performed a benchmark test for the strong motion simulation methods using numerical methods (finite difference method and finite element method). All the results calculated by six teams from different institutions generally show good agreement to each other. We found minor differences are generated by the choice of property on the grid just at the boundary of layers. The performance of absorbing zone makes differences in terms of artificial reflection waves from the model boundary.