合板と鋼材によるサンドイッチパネルの圧縮耐荷機構に関わる実験的研究

摘要

鋼板を構造用合板でサンドイッチした複合断面部材を開発し，鋼構造建物の一部に使用することを意図しているが，32mmの厚板を用いて150kN程度の終局軸耐力の柱を開発する理由をもっと丁寧に説明する必要があると思う。今後，より合理的な構造を目指す上での基礎研究との位置づけは理解するが，長さ1500mmの実験柱で32mmならば，実階高長ではどれほどの板厚になることを想定しているのだろうか。また，複合断面としての座屈耐力の確認について，木ー鉄ー木が初期荷重時には一体的に曲げ変形しているとの説明がひずみ度分布のグラフから理解できなかった。示された鋼材のみの柱の座屈耐力は短期許容軸力の1.1倍程度と低く，複合断面柱の座屈耐力は単に鉄と木それぞれの座屈耐力の和になっているようにも見える。複合効果に期待するのであれば，弾性座届耐力は曲げ剛性に比例するので，曲げ剛性を確認すれば効果の判断材料になると思う。%In this study, the composite structural member of plywood panel -steel is proposed. This member is consisted that the steel column is sandwiched with two sheets of plywood. To investigate the resistant mechanism and strength subjected to vertical load, the compression tests are conducted. In this paper, the parametric study is performed to investigate the effects of the thickness and the width of plywood panel. From the test results, it is observed that the maximum strength is determined by the flexural buckling, and also this combined member behaves as the layered beam.