繊維直交方向荷重を受ける格子配置したボルト接合の破壊性状に関する実験的研究

摘要

本報告は，本会の木質構造設計規準(以下，「木規準」と称する)に記述されていることを裏付けるものであり，基礎的，かつ大変意義のある実験の報告である。靱性係数JCと荷重変形関係，破壊性状(脆性破壊の有無)に焦点を当て，複数の接合具による接合部の許容耐力の,ぼ価に考察を加えたものである。その結果，靱性係数JCに相当する仕様の接合部の一例として，脆性破壊が生じることを確認し，接合具の繊維直交方向の距離sに関する木規準の制限における最小値のときの耐力を耐力算定式が導くことをつきとめた点で評価できる。また，個体差が大きい木材の欠点や木目などを細かく制御し，実験データの個体差を比較的小さくとどめた点も見逃してはならない。距離sが制限値より大きい場合，接合部は木規準の耐力算定式より大きな値を示すが，その算定式の誘導については，その必要性の有無も含め，今後の課題として残る。%In this paper, we conducted tensile loading tests, with grid-bolted connections loaded perpendicular to the grain. From these tests, we would appear the relationship with the visual fracture characteristic, load-disp-behaviors and ductile factor coded in 2006 of Japanese design methods. As a result, the fracture characteristic is almost in brittle and we could see linear behavior in a diagram. We could show fracture information of the bolted connections graded on JC.