シーリング目地を有するタイル試験体の15年間の屋外暴露による表面の汚染性状

摘要

This paper describes the actual state of surface soiling for the specimen of porcelain tiles with sealing joint. Outdoor exposure test of the specimen inclined 35 degrees against the horizontal level was performed for 15 years. The color distribution of the specimen after 15 years exposure test was measured by an image scanning technique. Reduction of the value of tile surface was increased with the decrease of sealed joint depth from specimen surface. The edge of the tile surface tends to be soiled by dirt deposition. Reduction of the value of the tile specimen with polysulfide sealant was very low compare to the tile specimen with silicone sealant.%本研究は,タイル面状,シーリング材および目地幅•深さを変化させて斜めに曝露した試験体により,15年という長期間の屋外曝ほによって,試験体表面の汚れの状況を観察した貴重な研究である。本研究では,仕上げ材表面に汚染物質が堆積し,雨水によって流される状況を長期間にわたり再現し,その汚染状況を分析•評価した。この試験が始まった1995年頃は,建物の外壁面に雨筋状の汚れが散見された。その多くは,シリコーン系シーリング材の可塑剤が雨水を介して外装材表面に滞留し,雨筋状あるいは仕上げ材目地周辺が見苦しく汚れていた。このは年の間に,シーリング材の選定法,水切りなどによる壁面流下水の制御,光触媒建材など汚れにくい建材の商品化など,外装材の汚染防止技術は進歩した。最近の建物を観察すると,15年前と比較して,雨筋状の汚れは明らかに減少している。著者らの研究成果が,実際の設計に反映されていると感じている。