福島県における応急仮設住宅建設の実態に関する調査

摘要

東日本大震災の応急仮設住宅の供給における特徴的な取組である，地元事業者の公募による木造仮設住宅の建設を最も多くの戸数で実施した福島県を対象に，建設に係る一連の事項の実態を主にアンケート調査に基づき報告している。全体的な状況の把握に重点を置いているとみられ，個別の事項に関する詳細な実態は記述されていないが，基礎情報の提供という意味で一定の有用性は認められる。ただし，設問の回答結果は事業者の種類別に単純集計されて比較されているだけであり，クロス集計等に基づく個別の回答間の関係性などは示されておらず，なぜそのような実態であったのかの要因や問題構造等の分析は十分とはいえない。一部の設問については事前に行った聞き取り調査の情報により補足されてはいるものの，今回の建設で特に着目すべき住宅部会や地元公募の事業者による多様な取組状況が十分に明らかにされているとは言えず，より詳細な調査と分析が求められよう。%In a disaster, temporary houses are generally constructed by builders belong to a certain organization. On the other hand, in the Great East Japan Earthquake Disaster, other builders constructed ones too, because it was necessary for victims to a large number of temporary houses. So, various types of temporary house were constructed in the disaster. Therefore, we investigated the actual situation and problem about construction of various temporary houses in Fukushima by interview and questionnaire. We expect survey results to be useful in future disasters.