民間賃貸住宅居住者の地域根差し態度-東京都荒川区の場合

摘要

As the results of the survey at Arakawa-ku of Tokyo-to, residents in private rental houses take less locality-based attitudes. To encourage the locality-based attitudes, it is important to provide more local information and to enhance residents have more attachment to the living areas by providing more opportunities to know the residents each other and by trying the management of the private rental houses to be more visible to the residents.%事象の特性を定量的に表示する指標が整ったハード領域に比べ，ソフト領域の研究において居住者の意識や姿勢の評価は，測定しうる個別結果の列挙に止まりがちで，総括的·包括的な評価や，異なる母集団の相対的な比較は難しい。本研究は，このようなソフト領域において,執筆者があるべきとする居住者像を定義し，これに向けたべクトルの大きさを新たな尺度と仮定した上で，測定可能な指標との関係を探ろうとするものである。残念なことに仮説全ては検証されなかったが，開かれた共用施設や，管理態勢·町内会活動といった計画しうる機能を抑え，居住状態への满足ゃ地域との縁故といった愛着感覚が，「地域根差し態度」と名付けた尺度に関係することは確認された。執筆者も認める通り調査の規模や普遍性は十分ではないが，ともすれば既存の枠組みに追随しがちな領域に新たな価値視点を導入し検証を試みた意義はあり，今後の熟成を期待しうる研究となった。