多目的遺伝的アルゴリズムを用いたオイルダンパーの減衰係数とリリーフ荷重の最適選択手法

摘要

This paper proposes an optimal method to select the damping coefficients and relief forces of oil dampers in seismic control buildings. The optimization method used is SPEA2 (Strength Pareto Evolutionary Algorithm 2) which is a multi-objective optimization method. This method was compared to the SGA (Standard Genetic Algorithm) using two plane frames for some representative design solutions. The proposed method was able to find solutions as good as or better than design solutions obtained by the SGA. Consequently, the effectiveness of the proposed method was demonstrated.%本論ではオイルダンパーの1次減衰係数とリリーフ荷重の最適選択を主題とし，多目的最適化システムと単一目的最適化システムを用いて探索された解群の比較，検討を行っている。制振構造物を対象とした粘性系ダンパーの最適配置を求める研究はこれまでにも多数行われているが，多目的最適選択についての研究は十分ではない。rn本論では，多目的最適化を行うことで，層間変形角を小さくする設計解と等価減衰係数の総量を小さくする設計解を含むパレート最適解集合が探索され，単一目的最適化と比較して多様な設計解を得られることが，数値解析例を通じて示されている。最適化法，解析法等の個々の技術要素については既往の提案に則っており，このような意味で新規な内容を提示しているとは言えない。しかし，これらの要素をまとめ上げた提案システム全体としての有用性，発展性は示されており，技術資料として十分な価値を有すると認める。