長野県安曇野市二木家住宅主屋の柱材にみる町家の木材利用

摘要

都市の民家である町家は、どのような木材を、どのようrnに用いて、つくられてきたのであろうか。おそらく、そのrn歴史には、周辺の都市や農山村との結びつきのなかで、木rn材利用に関する伝統的知識が蓄積されてきたはずである。rnとはいえ、町家の木材利用に着目した研究は事例が少なくrn注1）、一層の蓄積を必要とする。平成27（2015）年、長野rn県大町市に所在する平林家住宅の建物調査を進めるなかrnで、町家の建設に関する多数の史料を発見した。これらのrn史料には、木材利用に関わるものも数多く含まれていたこrnとから、町家の木材利用に関する具体像を把握することrnができた注2）。また、平成28（2016）には、長野県安曇野rn市に所在する二木家住宅の建物調査を行い、柱や梁といっrnた部材の木材について試料を採取し、富山県農林水産総合rn技術センター木材研究所の協力のもと、柱材について樹種rn識別を行った。本稿は、この建物調査と柱材の樹種識別のrn結果をあわせ、町家の木材利用について考察を行うものでrnある。