強震観測データに基づくRC·SRC造超高層建物の減衰定数の傾向について

摘要

In this paper,characteristics of damping ratio of RC/SRC high-rise buildings are discussed from identification of strong motion data.The following results are shown:1)From the identification result of strong motion,damping ratio type is similar to instantaneous stiffness proportional.2)First viscos clamping ratio from strong motion is from 1.5% to 3.0%.3)Higher viscos damping ratios are almost same value as first damping ratio and are not proportional to natural frequencies.%近年，超高層建築物の強震観測に基づいて，設計で用いられている解析モデルや減衰定数の妥当性を検証する研究を目にする機会が増えてきている。この背景には，東日本大震災後，我が国における地震活動が活発化したことで強震観測記録が得やすくなっていることや，観測記録を公開する機運が高まってきていることが挙げられよう。本論では実在のRC·SRC造超高層建物に対して実施した強震観測と多質点系モデルによる応答解析に基づいて，超高層建物の応答解析の際に用いる減衰定数や減衰のタイプ(初期剛性比例型や瞬間剛性比例型)をどのように設定するのが適切かを論じており，設計時の減衰の設定に関して非常に有用な知見となり得るものである。本論で示された知見は限られたデータに基づくものであるものの，今後，このような研究成果の蓄積によって，より実情に近い減衰定数の設定および減衰タイプの設定の方法が明らかになっていくことが期待される。