佐野市小島邸の建築図面からみた設計経緯の考察

摘要

小島邸は、栃木県佐野市大和町に現存する個人住宅であrnる。小島家は明治期に一代目が佐野縮織の原綿を関西からrn買付けてこの地で商売を始めた家系で、本建物は二代目のrn小島国平が大正14 年に起工した店舗兼用住宅である。小rn島邸については、これまでに山口廣らによる先行研究*1rnがあり、また所有者が所蔵する建築一件書類について筆者rnが行った既往研究*2 がある。これらの既往研究によって、rn小島邸の設計施工は小川組（現：株式会社小川建設）が請rnけ負って建築工事が大正14 年10 月に開始され、最終勘定rnは昭和3 年12 月になされたことが解っている。小島邸はrn昭和初期の豪商の都市型住宅の典型例ともいえ、通りに面rnして2 階建ての洋館と店舗が建ち、日本館と内蔵を併設rnして日本式庭園を持つ和洋併設型住居である。本稿では、rn建築一件書類のうち、既往研究において十分な検討がなさrnれていない建築図面資料の内容についての考察を行う。