中塗土の練り混ぜ過程における水の調合量が圧縮性能に及ぼす影響

摘要

The mixing proportion of drywall mud tends to be decided by the experience of craftsmen in practice, and it results in the wide property variation. In this study, an experiment was carried out to clarify the influence of the water-mud ratio( W/Md) on the mechanical performance. As a result, the relationship between W/Md and the strength / rigidity showed the strong influence of the W/Md can be only observed when the proportion of sand is small. The equations were proposed to estimate the strength and the elasticity of mud drywall based on these relationships found in the result.%本報告は，壁土の練り混ぜ過程における水の量が圧縮性能に及ぼす 影響についてのものである。ここでは，京都産の中塗り土を対象とし ているが，この土の液性限界は，既往の報告の土よりも小さいとのことである。土の量を一定とし，砂と水の量を変えた供試体を作成して圧縮試験 を行った結果，砂が少ない場合は，水の量が弾性係数や圧縮強度に影 響を及ぼすが，砂が多くなると，水の量の違いの影響は少ないという 結果が示されている。その理由として，弾性係数や圧縮強度は供試体の密度と相関があっ て，砂が少ない場合には，水が多くなると密度が小さくなるが，砂が 多くなると，砂が密度に対して支配的になって，水の量の影響を受け にくいことが挙げられている。京都産の壁土の強度は比較的高いが，液性限界が小さく，少ない水 の量で施工できることがその理由の一つかもしれない。今後，別の土 を用いた検討や，圧縮以外のせん断や曲げについての検討にも期待し たい。