神社における本殿と付属建築の規模の関係について

摘要

With regards to the dimensions of the shrines, I studied the relation between the dimensions of the frontage of the shinto shrine, including the main shrine and that of the attached buildings. The dimensions of the buildings were basically determined as the length between the pillar centers. However, other measurement methods, such as the "outside measurement" (oze) and "inside measurement" (daki) were also used. Focusing on this aspect, I clarified that the relation between the frontage dimensions of the main and attached buildings can be expressed in simple ratios based on whole numbers.%神社における本殿以外の拝殿，門，境内社等の建物について，その規模（正面の寸法）をどのように計画していたのかを考察した報告である。本報告では，木割書の記述と実際の建物を比較して，その規模が本殿の規模（正面の寸法）と関係して決定されていたと考えられることを報告している。木割書から神社建築を考察した論文，報告はこれまでに多数あるが，筆者も述べている通り，木割書の記述が少ない拝殿のような建物については，先行研究が少ない。本報告は，そうした希少性に加えて，柱間の芯々，内法，外法が基準とされていることの指摘など，非常に興味深い内容を含んでいる。今後，さらに多くの事例に基づく研究の深化を期待したい。