列車制御技術の変遷(その4):新しい列車制御システムへの展望

摘要

信号保安システムは、閉そく装置、連動装置、ATSやATC、踏切などの装置が並存し、列車の運行の安全性を確保してきた。本稿では、これらの装置を機能目的レベルで分析し、現場で制御が必須となる機能、車上に伝達すべき情報を分離する。さらに、今日のIoT技術に依拠したシステムアーキテクチャのあり方を考察する。 スケジュールに従った列車運行の実現と列車間の排他制御には、処理部の一元化が有効である。ネットワークを介して現場機器を制御し、車上に情報を伝達するシステムアーキテクチャは、処理部、伝送部、端末部といった3つの階層からなる統合型の列車制御システムに行きつく。その下では、もはや閉そく装置や連動装置そのものが不要となり、シンプルな制御が実現する。