第18回操舵台車

摘要

曲線の多い線区で運用される在来線鉄道車両では、曲線通過性能を向上させてより高い速度で曲線を通過することが到達時間短縮に非常に効果的な対策となります。ただし、高い速度を維持して問題なく曲線を通過するためには、増加する遠心力に対処して乗り心地を維持する技術と、増加する横圧（車輪-レール間の接触部分に働く左右方向の発生力）を抑制する技術が必要になります。曲線走行中の遠心力を重力によって打ち消して乗り心地を確保する技術としては、オートバイのように車体を曲線の内側に傾斜させて遠心力を相殺する機能をもった振子車両/空気ばね車体傾斜車両が実用化されています~①。一方、横圧低減技術の一つとして操舵台車が開発されました。ここでは、鉄道用に用いられる輪軸の特徴や走行安定性について解説し、操舵台車開発の背景•経緯について紹介します。