MPD スラスタ内における電熱・電磁加速モード間の遷移に関する研究

摘要

近年，月や地球近傍の惑星への探査活動が数多く計画されており，そこではミッション期間の短縮が重要課題の1つになっている．また将来の宇宙開発において，より大規模・長距離の輸送が必要となることは必至であり，高推力・高比推力の電気推進機の開発が望まれている．本論文で対象とするMPD（MagnetoPlasmaDynamic）スラスタは，大電力作動に適しており，高推力密度・高比推力といった特徴を持つことから惑星探査や大規模輸送が可能な電気推進機として注目されている．しかし一方で，推進効率の低さや電極の熱的消耗などの課題もあり，物理的・工学的に成熟した技術に至っていない．