米海軍（航空装備品）等のOA(オープン・アーキテクチャ）化への取り組み

摘要

本稿では、欧米におけるOA化の取り組みについて、特に米国で進められている先進的なOA化の枠組みであるFACEを中心に現在の状況を紹介した。ここで紹介した取り組みは、いずれも高額になった軍用機のトータル•ライフサイクル・コスト低減を主目的として1990年代から継続的に進められてきた活動であり、ハードウェア/ソフトウェアそれぞれの必要な技術の進展とともに、いよいよその成果が結実する段階を迎えようとしている。特にFACEについては、必要な規格文書•インフラストラクチャを準備したうえで、官民ともに積極的に推進するコンセンサスが得られている状況にある。現時点ではまだ定量的な評価は出ていない段階だが、今後も一層大きな流れになっていくことが予想される。FACEのソフトウェア部品は、特に使用頻度が高い領域のものを開発して一定の評価を獲得すれば、先行者の利益が大きくなると考えられることから、複数の米国の関連企業でFACE対応部品の自主的な開発を始められているとの情報もある。