主力戦車の現状と今後の動向について

摘要

1916年、仏国北部のソンム河畔域で行われた第1次世界大戦最大の会戦で、塹壕戦を打開すベく、 英軍が初めて無限軌道（履帯）式の戦車マークI (写真1)を登場させてから100年が過ぎた。その 後、戦車は、陸上兵器の主役として発展してきたが、1970年代の第4次中東戦争において、ェジプ ト軍が、イスラエル戦車部隊に対し、ソ連で開発されたサガー対戦車ミサイルを使用し大打撃を与 えた。これを契機に、対戦車ミサイルの発展により、一時、戦車不要論が謳われた。しかし、複合 装甲などで防護力を向上させた戦車が登場することにより、主役の地位を取り戻し、今日に至って いる。