過敏性腸症候群

摘要

IBSの診断は国際的に用いられているRomeⅣ基準に沿うことがガイドライン2020でも推奨されており,本稿においてもそれらを踏まえて紹介した.ただし,診断基準·病型分類·重症度評価いずれも患者の訴えに準じて行われるため,特定の物質の有無や濃度で決まるような明確なものではなく,曖昧さが付随する.ゆえに,問診を丁寧に行い,患者の状態をできるだけ正確に把握して診断基準や病型分類に反映させることが重要となる.本稿が読者の皆様の日常診療に一助となれば幸いである.