ABLチロシンキナーゼ阻害薬投与中に冠動脈3枝病変を伴う虚血性心疾患を併発した初発慢性骨髄性白血病

摘要

近医での高血圧加療中に白血球増多症を指摘され て，加療目的で当科を紹介受診.身長176 cm，体重79 kg，BMIが25.5で肥満あり. performance statusは0，体温，血圧.脈拍は異常 なし.心肺雑音も異常なし.肝脾腫大なし.体表リ ンパ節の腫大もなし.白血球15.700/μL，貧血なし，血小板数の増多を 認める.白血球分画は骨髄球5.0%，後骨髄球0.5% を認め，さらに好酸球6.0%，好塩基球5.5%と増加. LDHは377 U/Lと軽度に上昇.総コレステロール は152 mg/dL.血糖値，HbAlcは正常域.狭心発 作を起こした時点では，総コレステロールが175 mg/dL，LDLは121mg/dL，糖尿病はなし.その 時点で禁煙していた.初診時の心電図ではPQ，QRS などに異常なし，軸偏位なし.ST-T変化なし.冠 動脈疾患リスクの評価チャートに当てはめてみると，本症例の動脈硬化リスクは0.5%未満という評価で あった.