皮疹: 1.合併症による症状が目立つが，特徴的な皮疹を見逃さない

摘要

59歳，女性．主訴：皮疹，発熱，肝機能障害．既往歴：とくになし．現病歴：1ヵ月前から，発熱，軽度の湿性咳嗽の持続や，上限瞼の紅斑，四肢伸側や手指に紅斑が出現，四肢を中心に筋痛も認めた．近医にて抗菌薬などを投与されていたが症状の改善なく，肝機能障害も指摘され，精査目的にて当院紹介となった．入院時現症：両上限瞼に紅斑あり．心雑音なし，胸部背部にて軽度捻髪音を聴取した．四肢の筋把握痛と軽度筋力低下を認めた．肘頭や手指に鱗屑を伴った紫紅色紅斑あり．神経学的所見異常なし．検査所見をTable 1に示す．