頭部CT・頭部MRI: 2.陳旧性脳梗塞と混同されやすい正常変異に注意

摘要

58歳，女性．糖尿病で内服加療中．頭痛のスクリーニング検査で東部CTを施行したところ両側レンズ核に低吸収域を指摘された．精査目的でMRIが施行された．頭部MRI：両側レンズ核やや下部にT1強調像で低信号，T2強調像で高信号を呈する病変を認める．左側は12mm大の円形病変，右側は9mm大の楕円形病変で，境界は比較的明瞭である．初回読影時診断：多発性陳旧性ラグナ梗塞FLAIR像では同病変内部は低信号を呈している．周囲に異常信号は認めない．両側対称性にみられること，病変の存在部位，脳脊髄液と同等の信号を呈していることから血管周囲腔と診断された．