原発性小腸未分化癌の1例

摘要

原発性小腸癌は消化管原発悪性腫 瘍の中でも0.1～1.0%を占めるにすぎず，比較的 まれな疾患とされる．特異的な臨床症状に乏 しく，加えて解剖学的特性から早期発見が困難な 症例が多く，リンパ節転移や腹膜播種などを伴う 進行した状態で発見されることも少なくない． 今回，われわれは原発性小腸未分化癌に対して， 外科的切除に加えて，抗癌薬テガフール・ギメラ シル・オテラシルカリウム配合剤（TS-1）を術後 投与した1例を経験したので報告する．