高齢者の心房細動に脳梗塞予防のためのWarfarin投与は必須であるか？

摘要

現　状 1. 心房細動患者においては，その塞栓症発症リスクに応じて抗凝固療法（warfarin）が推奨される．2. リスクの層別化にはCHADS_2スコア（6点満点）が用いられ，年齢＞75歳は1点である. 3. 心房細動を伴う心原性脳塞栓症の再発予防には，CHADS_2スコア1点では抗凝固療法（warfarin）を考慮する必要がある．2点以上では投与が推奨される． 問　題 高齢者では，①出血性合併症を伴いやすい，②服薬管理が困難である，③用量調節が煩雑である，などの理由から，Warfarinの使用が控えられてきた． 展　望 warfarinに代わり，簡便に使用でき，脳出血が少ないトロンビン阻害薬dabigatranが登場し，その効果が検証されつつある.