びまん性汎細気管支炎

摘要

1.両肺びまん性に存在する呼吸細気管支領域の慢性炎症を特徴とし，合併する慢性気道感染の進行とともに,無治療では呼吸不全をきたす疾患である． 2.厚生省研究班による診断の手引きが広く用いられている．高分解能CTによる小葉中心性粒状病変の検出が重要である． 3.安定期にはインフル工ンザ菌，肺炎桿菌，Moraxella catarrhalis，緑膿菌などがよく検出される． 4.安定期にはマクロライド系抗菌薬の基本薬剤であるerythromycinの少量長期療法が基本である． 5.高度な気管支拡張例や進行例では有効率が低く,難治である． 6.対症的には去痰薬，気管支拡張薬の使用，理学療法，リハビリテーション，在宅酸素療法などが実施される． 7.急性悪化時には呼吸循環管理に加え，各種起炎菌に対する抗菌薬が併用される．