編集手帳

摘要

平成28年度の医師臨床研修マッチング結果が発表となった.定員すベてがマッチした施設もあれば空席が残っている施設などさまざまで,研修責任者はホッと一息ついているか頭を抱えているか,といったところだろうか.大学病院か市中病院か.都市か地方かという二極構図は今も昔も変わらないようだが,なぜ東京の大学病院を選んだのかを研修医に聞いてみると,「研修医が多く,日常業務も救急も忙しくなさそうだから」あるいは「その大学の特定の専門科に進むのに有利だと思うから」とはっきり言われることがある.もちろん彼らはマッチングの面接のときはそんなことは言わない.しかし,同様の本音をもっている研修医は多いのだろう.本音を話してくれるうちが花だと私は思っているが,「うちの科をしぶしぶローテーションしているのかな……」と思うと,指導のモチベーションが下がるという人もいる.