編集室

摘要

本特集では，筆者を含めて6組の著者に各々のテーマで執筆いただいた.昨今，国内外で自動運転技術の開発競争が熾烈をきわめているが，自動運転といっても，その捉え方は人それぞれ異なるというところが面白い.高速道路で白線と前方車を目印にレーンキープする機能も立派な自動運転と言えるが，その技術ならもう商品化されているという事実もある.現在，メディアを賑わしているのはこの手の自動運転の話が多いが，Google社や自動車メーカの研究チーム，大学の研究室が取り組んでいる自動運転はもっと複雑な状況にも対応しようとしている.たとえば，街中で白線もないかもしれない場所でもコンピュータが自律的に経路を考えてクルマを制御する技術を開発している.そしてその実現方法も千差万別である.自動運転システムをロボットとして捉える人，人工知能として捉える人，モバイルデバイスとして捉える人.それぞれ自動運転に対する考え方も方法論も違うところが興味深い.本特集では，筆者の主観も入っているが，なるべく多くの読者に興味を持ってもらえるように構成を工夫した.