情報界のトピックス

摘要

電子書籍への税率をめぐる法廷闘争で，欧州司法裁判所(European Court of Justice: EGJ)は3月5日，電子書籍はタブレットやコンピューター上で読めるとはいえ，物品ではなく，"電子的に提供されるサービス"であり，サービスとして課税されるべきとの判断を示した。EU (European Union,欧州連合)の付加価値税指令(VAT Directive)は，物理的媒体の書籍に対しては軽減税率の適用を認めておリ，ブルガリアとデンマークを除くEU諸国は，物理的な書籍に軽減されたVATの税率を掛けている。今回の問題は，2012年にルクセンブルクが電子書籍へのVATを，それまでの17%から物理的な書籍と同率の3%に引き下げ，直後にフランスも税率を200%から5.5%に引き下げたことから始まった。次いで2014年末には，マルタが18%から5%に，イタリアが22%から4%に引き下げることを決定した。