薬剤を用いた汚泥減容化システムの基礎検討

摘要

下水処理施設をはじめとする有機性排水の 処理設備においては、余剰汚泥の発生とその 処分が、ランニングコスト上昇、さらには環 境負荷への影響を含め大きな問題となってい る。そのため、余剰汚泥の発生量減容化シス テムが注目されており、オゾン処理、細菌処 理等が報告されている。 筆者らは、産業排水処理施設を対象とし、 微生物の細胞壁を無機系酸化剤と鉱酸とを主 成分とする薬剤にて可溶化を行う「薬剤を用 いた汚泥減容装置」を実用化するに至ってい る。今回、下水を対象としてこの汚泥減容装 置と膜分離活性汚泥法とを組み合わせた処理 方式を採用し、ベンチスケールでの100% 汚泥減容の検討、さらには蓄積するの無機物 及び有機物の挙動について検討を行った。以 下に得られた結果を示す。