大栄環境による和歌山県初の民間管理型処分場が稼働:地元誘致と反対運動の狭間を超えて

摘要

和歌山県で初の民間管理型処分場が御坊市で今年2月操業を開始した。事業者の(株)大栄環境(大阪府和泉市)は関西·中部圏を中心に廃棄物処理と再資源化事業を手掛ける大栄環境グループ(19社)の一つ。産廃施設の設置といえば、まず土地取得、次に地元合意というのが定石だが、本事業は地元が「区有地を活用してほしい」という誘致から始まった。とはいえ、周辺住民の反対運動、県の審査中に発生した東日本大震災と台風による豪雨など、着工までの道のりは平坦ではなかった。経緯を振り返りながら、「地元雇用、区有地活用対策」という新しいスタイルの処理施設設置のあり方を考察したい。