国内メーカー 不振のテレビ事業 高付加価値への逃避に疑問 自己満足の高画質化は無駄 市場が飛びつく商品開発を

摘要

ソニーは2月6日、テレビ事業の分社化とPC事業の譲渡を発表した。報道発表によれば、テレビ事業は髙付加価値化を進めるとしている。果たして、これでソニーのテレビ事業は再生するのだろうか。また、ソニーに限らず、日本の家電業界のテレビ事業は今後も競争力を持ち続けられるのであろうか。日本の多くのメーカーは「高付加価値化」が生き残りの道と信じているようだが、これこそ滅亡への道筋との発想はなぜ生まれないのか。過去、低価格商品との競争で高付加価値化により生き残った事例はあったのか。自社のオーディオ製品を駆逐したのはどのような商品だったかを考えれば、高付加価値戦略に無理があることは一目瞭然だ。日本の家電を象徴する商品である「テレビ」が不振だ。液晶の代名詞だったシャープ、プラズマを開拓してきたパナソニック、平面CRT時代にブランドを築いたソニー、いずれもテレビ事業の赤字に苦しんでいる。